老朽化の不安

老朽化した物件を所有していると…

老朽化した物件を所有しているのは不安なものです。
文化住宅や長屋は、連棟になっています。住んでいる人から雨漏りがあったと報告があった場合、その部分だけを修繕しても効果はありません。屋根全体を直さなければ根本の問題は解決しません。
しかし、空室が多いので1軒だけのために全体の修繕はできません。そうすると雨水が浸透して木を腐らせ、倒壊の不安が出てきます。
また、老朽化により地震での倒壊の危惧もあります。文化住宅・長屋は築60年以上の建物が多く、現在の耐震基準を満たしていません。もし東南海地震や関東大震災が起きれば、倒壊する可能性は大きいです。地震で建物が倒壊し入居者が亡くなれば、家主が損害を賠償することになります。
阪神淡路大震災の際には建物の倒壊によって死亡した遺族が、3億円余の損害賠償を求めて提訴しました。結果、裁判所は家主に対して、自然力による寄与度の5割を控除した1億3000万円の支払いを命じています。
いずれにしろ現状のまま放置しておくことはできません。建て替えるか、耐震補強をするか、売却するかという決断をしなければいけません。

事例

築50年以上の文化住宅を建て替えた

家主の不安

建て替えた方がよいと思ってはいるが、入居者が居るので仕方なく修繕をしている。また、長い間住んでくれている入居者に立ち退きの話がしにくい。それに、立ち退き費用や建築費用がどれくらいの金額になるのかわからないので、踏み出すことができない。

建て替えの決め手

入居者の数が半分以下になった頃、建設会社からの提案がありました。立ち退きから新築まですべてを任せることができ、手残り額が今までより多くなるだけでなく、相続税も安くなることがわかったので建て替えることにしました。