修繕のリスク

文化住宅・長屋の修繕費問題

文化住宅・長屋の経営で問題になるのが修繕費です。
建物が新しいときは、空室になってもすぐに借り手がつきました。しかし、老朽化してくると借り手がつきにくく、長期間空室のままになってしまいます。このようにならないためには、退去者があった場合、すぐに原状回復の工事をし、次の入居者を迎え入れる準備をすることが大切です。
ところが年度末は退去者が多くなり、原状回復費用が増加するので、一度にすべての部屋を修繕することはできなくなります。かといって入居者が退去したあと、原状回復の修繕をしなければ新しい入居者が入ることはありません。そうなると収入が減少するので修繕費まで資金が回らなくなり、建物も老朽化していくという悪循環になってしまいます。
また、文化住宅や長屋は若者の生活スタイルに合わず、借りる人はほとんどいません。借りるのは高齢者になることが多いです。しかし、高齢者の場合は年金生活や生活保護を受けている人が多く、極力安い家賃の賃貸を求めています。となると、高い家賃設定ができず、収入が上がらないので修繕のリスクが高まります。

事例

文化住宅の外壁をやり変えたのに入居者が入らない

家主の不安

入居者から雨漏りがすると連絡が入ったので、今更文化住宅を修繕しても…と思いながら、屋根・壁を修繕した。
この機に、空室の原状回復も行い入居者の募集をかけたが、空室のまま。このままでは、収入が増えることもない。

年間の修繕費

年間の修繕費はさほどかからないが、入居者の入居年数が長いので、原状回復をしようと思えば、1室あたりの費用は高くつく。

今後について

建て替えたいが、入居者の立ち退きの話や立ち退き料を考えると踏み切れない。いつになるかはわからないが、入居者の数が減ったときに立ち退きに踏み切りたい。